夢は教えてくれる その1

 何かに真摯に取り組んでいるとそれに関すると思われる夢をよく観るようになります。気がついていない人も多いでしょうけど。 それもありがたいことに、夢はヒントをくれたり、認めてくれたりほめてくれたり、違った視点から知らせてくれたり、導いてくれたり、癒やしてくれたさえしてくれるのです。ほんとに助かります。夢の教えは無料だし。あなたも、困ったときには夢に「なんか教えて下さい」と頼んでから眠ってみてはいかがでしょう。

 今回も手前味噌でなんですが私の夢から、夢の中に私を導いてくれる女性像が現れた夢を紹介してみます。

 2016年正月の朝、ふと今朝方見た夢を思いだした。初夢。

 夢の中に私を助けてくれるというか導いてくれるといってよいような女性が出てきた。それに感動してちょっと涙ぐんでしまった。

 私は長年夢日記をつけてきたせいで夢を見慣れている。そこでだいたいが、目覚めたらすぐにああこんな夢を見たな。と思い出すようになっている。ところが正月朝はそんな感じで思い出したのではなかった。朝目覚めた時は夢を見た覚えがなかったのだ。正月朝なのにちょっと暗いめの気分でウジウジ考えていたら、ふっとこの夢を思い出したのだ。嬉しかった。

 {夢:山道に迷う。女性が道を教えてくれる}

道に迷っていた。私の夢では定番の山旅をしている。川に出ようと思っているのだが。夜が迫っているのによくわからない難しい山道に来てしまった。

 確か凄い遠回りのようだがこちらに行けば行き着くはずと思って、山の奥深い道ともいえないような道を行こうとしている。通り道に山村の民家もあるようだ。その村の人か農家の主婦か、年齢は分からないが中肉中背の女性が「こちらから行くと良い」と道を教えてくれる。

 その後に、いつの間にか山をかなりくだっていて、なだらかになった道を歩く私に、そのうねった道のちょっと高い上側の位置からその女性が 「ユング心理学云々」と私に語りかけてくる。私がユング心理学の知識があることを知っているようだ。私は「ユングは一番初めに子供向けの絵本のような本を作ったらしいよ」と聞いたこともないようなことを彼女に言う。

 今回の夢は、私の日常でのここ最近の心のあり方を、こういうことになってるよと教えてくれた感じです。自分が昔よりずっと素直になっているよ、それがあなたの生きる道行だよ、子供心を持って活き活きできるよ。と教えてくれたのではと夢分析しました。

 私は10歳代後半から20歳代の頃に、親が死んでも泣けないのではと気になるほどに理性的だったり合理的で、感情面が上手く働いていませんでした。強迫性障害といえるくらいだったでしょう。そんな私でしたが、私自身の心理療法的な体験学習や、泣き虫ハーちゃんといわれるくらい良く泣いた河合隼雄先生の人柄や、彼の拡めたユング心理学などの導きによって私もこの歳でようやくすなおな感情を取り戻せたようです。まぁ、今年で65歳なので男でも涙もろくなるのが普通だよということかもしれませんが。

 こんなにはっきりしたユング心理学的にいうところのアニマの導きはこれまでの夢体験ではじめて。夢中の女性がちょっと見上げるような高い位置にいたというのは、女神的な要素も含んだ女性像を現しているのかも。そこで連想するのが、この年末年始にかけて中島みゆきの歌を聞いては泣き続けていたことです。歌の題名は『ヘッドライト、テールライト』。

 この歌の「ヘッドライト、テールライト旅はまだ終わらない。ヘッドライト、テールライト旅はまだ終わらない・・・」というフレーズを聞いていると、旅はまだ終らないとあるのに、なぜか、この世に挑戦して先に逝った人のことがそれぞれに思い出されるのです。河合隼雄先生をはじめ、親父、それほど親しくはなかったが田舎の自死したり病気や酒にやられて死んでいった同級生。 それに今まさに大変な苦労を背負い込みながらも精一杯生きている私の知り合いの人たちも。それらに65歳になって未だ決着しないでジタバタしている私の生き様が重なって泣けてきてしまうのでした。

 この歌はTV「プロジェクトX」の挿入歌なので、日本を世界トップクラスの技術経済大国にした名もなきエンジニアとかビジネスマンのことを想定して作られたのかもしれません。でも歌姫、中島みゆきはこの世を旅する全ての人を想って歌っているのだ。と私は確信します。おまけに近代文明の申し子である自動車の灯り「ヘッドライト・テールライト」と歌われている辺りが、昔のようにのどかとはいかない、孤独な近代人の、旅や生き様をピッタリあらわしているように思えて私の涙腺はますます緩むのです。

 とにかく夢の中に導いてくれる女性像がそれもちょっと人間以上の存在のような女性が登場してくれたことが嬉しいし、心強い。

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